「リモーカル」と「顧客視点」のアプローチで“海外拠点のブラックボックス化解消”を支援

ビジネスエンジニアリング株式会社
プロダクト事業本部
プロダクトサービス本部
システムインテグレーション3部
マネージャー
豊原 健弘

海外進出企業の課題解決のために

海外進出企業は2つの側面の課題を抱えている。ひとつは、日本本社から海外現地法人の経営状況が見えず、タイムリーな経営判断ができないこと。もうひとつは、現地法人の人手不足により本社への報告業務が滞ってしまうこと。これらの課題はグローバル経営基盤システムを導入することで解決できる。とはいえ、簡単なことではない。国や地域ごとに異なる税制や会計処理などにも対応しなければならないからだ。豊原健弘はビジネスエンジニアリング(B-EN-G)が提供するグローバル経営基盤システム「mcframe GA」をベースに、これらの課題解決を図り、お客さまのグローバル化に貢献している。

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数々の海外導入プロジェクトを主導

B-EN-Gでは現在、“リモート+ローカル”の造語である「リモーカル」というコンセプトのもとで、海外現地法人のシステム導入プロジェクトを支援している。新型コロナウイルス禍でコンサルタントが現地に赴いてサポートすることが困難となったなか、日本側のコンサルタントとB-EN-Gの現地法人や協力会社のスタッフがお客さまとリモートで密にコミュニケーションをとりながら協働する。


このリモーカルのアプローチを通じて、数々のプロジェクトをプロジェクトマネージャーとして主導しているのが、豊原健弘だ。
米国公認会計士(ワシントン州)という難関資格を有し、ITアウトソーシング会社やコンサルティング会社、大手物流会社でキャリアを重ねてきた豊原は、ユーザー側のプロジェクトリーダーとして海外子会社の基幹システム刷新に携わった経験を持つ。しかも、その際に導入を図ったのが「mcframe GA」だった。


当時、多数のITベンダーから複数のERPパッケージの提案を受けていた。ベンダー選定する立場にあった豊原は「mcframe GAの機能やB-EN-Gの提案内容(導入方法論、サポート体制、提案担当者など)に対して卓越したものを感じました」と振り返り、「私自身がユーザー側で得た業務知識と、米国公認会計士として持つグローバルな専門知識を組み合わせれば、より多くのお客さまの導入プロジェクトに貢献できると考え、B-EN-Gへの転職を決断しました」と語る。

フィリピン固有の税制にも標準機能で対応

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もちろん、豊原も最初からリモーカルで導入支援を行ったわけではない。B-EN-Gに入社当初の2019年に手がけたプロジェクトは、現地に赴いて対応した。ある大手メーカーがフィリピンに新設した現地製造子会社に、基幹システムとしてmcframe GAを導入するプロジェクトだ。


このメーカーにとってフィリピンへの進出は初めてのチャレンジであり、現地のビジネス環境や税制に関する知見はほとんどない。豊原の経験とリーダーシップに大きな期待が寄せられたが、課題は山積だ。工場の操業開始までにシステム導入を完了させる必要があるため、スケジュール遅延は絶対に許されない。


「グローバルプロジェクトでは、各国の法規制に対応するためアドオン開発が発生する傾向がありますが、フィリピンも例外ではなく、費用計上時の源泉徴収税の扱いなど、固有の税制や会計処理要件がありました。そこでパッケージ標準機能を最大限活用し、スケジュールリスクとなるアドオン開発を最小化することに最も注力しました」(豊原)
現地要件を安易に受けてしまう傾向が多い中で、一番メリットがある方法を模索・提案し、最後までお客さまと真摯に向き合った。


さらに、プロジェクトの早い段階から現地に入り、フィリピンのB-EN-Gパートナーとともにお客さま向けのトレーニングを実施した。
「基幹システムの海外展開で重要なのは、導入もさることながら、その後の円滑な運用の実現です。早期に現地パートナーを前面に立たせることで『現地による現地のための運用サポート体制』を確立し、安定運用に向けて先手を打ちました」(豊原)

 

リモーカル対応によりサポートレベルがさらに向上

続いて豊原が携わったのは、ある大手建材商社の海外導入プロジェクトだ。すでにインドネシアに開設されていた現地子会社にmcframe GAを基盤とする販売管理システムを導入するのと並行して、ベトナムに新設した現地子会社にも同製品を導入するという難易度の高いプロジェクトだ。

「インドネシアの現地子会社ではExcelで売上・売上原価や粗利を管理しており、これらの情報を月末にまとめて登録していたため、従来は経営状況をタイムリーに把握することができませんでした。与信管理に至ってはシステム化さえもされておらず、Excelのみで管理されていたため、正確性や適時性に大きな問題を抱えていました。加えて債権債務の年齢表(債権年齢別集計表/債務年齢別集計表)などの管理資料も整備されていませんでした。一方で、インドネシア、ベトナムそれぞれの国の税制や会計処理要件に対応しなければなりませんでした」(豊原)


直面した課題はこれだけではない。プロジェクトに着手したのとほぼ同時期に、新型コロナウイルスが発生したのである。対面で行ってきたトレーニングも実施困難となり、「システムを現地にどうやって浸透・定着させるのか」といった不安の声も寄せられた。そこで豊原が打ち出したのが、先に述べたリモーカルのアプローチである。ただし、従来の現地対応よりもサポートレベルが低下してしまったのでは意味がない。リモーカルの前段階として、豊原はプロジェクト開始前から認識していた次の2つの業務課題について、日本側と現地側の双方で綿密な認識のすり合わせを行い、解決を図った。


1つめの課題は、受注から発注および売上、仕入に至る情報の一元管理である。「商社は受注情報を発注情報に展開する特有の業務スタイルがあります。この業務要件に対して、パッケージ標準機能の受注展開発注および直送機能を活用することで、システム処理をシンプル化しました。このオペレーションが日々の業務に組み込まれることで、売上一覧表で売上・売上原価および粗利をタイムリーに把握するほか、プロジェクトごとの粗利をリアルタイムに確認することが可能となりました」(豊原)


2つめの課題は、与信管理のシステム化だ。「現地目線に立って受注時および売上計上時にリアルタイムの与信チェックをかけ、与信警告額を超えた場合は警告を発し、与信限度額を超えた際には受注不可とするなど、きめ細かな与信管理対応を実現しました。この与信状況は日本側からも確認することが可能です。また、与信限度額管理表などの各種管理帳票にも正確な数値が適時反映されるため、現地マネジメント層に加えて日本の本社からも現地の業績推移をリアルタイムに把握できます」(豊原)
あわせて豊原は、VAT(付加価値税)やWHT(源泉徴収税)などの現地税制への対応方針もこの段階で定めている。


上記のような土台を固めた上で、豊原はリモーカルのプロジェクト運営および運用体制の構築へとつなげていったのである。オンサイトの現地トレーニングはB-EN-Gの現地子会社およびパートナーが中心となって対応し、日本側からはリモートで指示・指導を行い、微調整を重ねながらシステムの浸透・定着化を図るというものだ。
「日本と現地の間でリモートによる打ち合わせを頻繁に実施することで、お客さまの不安を解消し、ご満足をいただくことができました。リモーカルの対応を進めた結果、従来を上回るサポートレベルを実現しています」(豊原)

プロジェクト成功に向けた基本方針

グローバル化はもはや特別な企業戦略ではなくなったが、とはいえ、今なお多くの企業が海外拠点へのシステム導入に不安や課題を抱えているのも事実だ。言語の異なる現地とはコミュニケーションの壁があり、物理的な距離があるうえに、現地の税制や会計処理に対する具体的な対応方法にも日本側からは見えないケースが多いからだ。「そうしたお客さまの不安を払拭するために、大切なのは『現地の税制や会計制度などに深く関わる特殊なオペレーションを現地パートナーと確認しながら検討すること』『検討したオペレーションを現地のパートナーが説明すること』です」と豊原は語り、「この2つの施策を徹底することで、エンドユーザーからの稼働後に向けた信頼を高めることができます」と強調する。


そして、プロジェクト成功に向けた基本方針を次のように示す。まずはコスト面での対応だ。海外子会社へのシステム導入にあたり、潤沢な予算を確保できている企業はそれほど多くない。したがって、パッケージの標準機能を極力活用し、アドオン開発を抑えた提案や要件定義を進めることが重要なポイントとなる。「現地業務をパッケージの考え方に合わせることが基本となりますが、標準機能をうまく工夫することで、アドオン開発を行わずとも現地の要望に応えられるケースがよくあります。ただし、何が何でも標準機能に合わせるという方向に持っていくのではなく、現地の要望を繰り返し聞き出しながら、どうすれば標準機能で実現できるかを常に意識することが大切です」(豊原)


また、システム稼働後の保守対応も重要だ。これに関しては、言葉が通じる現地同士でのコミュニケーションを望む企業が多い。そこでB-EN-Gがとっているのが、豊原が携わってきたプロジェクトでも触れたように、B-EN-Gの現地子会社や導入パートナーに保守を任せるという方法である。「この場合もいきなり現地の子会社やパートナーをアサインするのではなく、お客さまへのトレーニング時点から現地スタッフを巻き込むことで、スムーズに運用保守へ移行できる進め方を配慮しています」(豊原)こうしたさまざまなプロジェクトから得られた成果をmcframe GAの新たな機能に反映していく社内的なプロセスも確立されており、そこでも豊原は大きな役割を担っている。


「今後もmcframe GAの豊富な機能をより効果的に活用することで、お客さまのグループ経営の高度化に貢献したいと考えています。現在進行中のプロジェクトは大手物流企業向けの海外システム導入であり、規模が大きく、利害関係者も増えることから、その調整にも力を注いでいきます」と豊原は意欲を示し、海外におけるシステム導入の長期パートナーとして、B-EN-Gが提供できる価値のさらなる拡大を目指している。

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